研究課題/領域番号 |
26540140
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
董 芳艶 東京工業大学, 情報生命博士教育院, 准教授 (30432024)
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研究分担者 |
廣田 薫 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (50130943)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 人工知能 / ソフトコンピューティング / 支援システム / 句会法 / アイディア創出 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、感性工学の観点から日本の伝統的な文化の一つである句会法を応用し、企業の事業創造や新製品開発などの場面でのアイディア創出を効果的に支援する手法を新たに提案してシステム構築、インターネット接続のパソコンから入力することが前提で、初心者から専門知識を有する者まで多様な被験者集団に対してうまく機能する事を確認することである。 本研究では、①句会法のアイディア創出支援システムへの応用のための手法開発、②アイディア創出支援システムの構築、③構築したシステムの運用実験と評価、の3段階で実施するように計画している。 平成26年度においては、前半で研究代表者と研究分担者が協力して、句会法のアイディア創出支援システムへの応用手法を確立している。句会は、複数の人が自作の俳句を提出し、お互いに選をし、成績を競い、評価しあったり、指導者の指導を受けたりする集まりであり、俳句の原点は句会にあるといわれるほど、俳句創造に上達するには一番勉強になる鍛錬の場とされている。それを、句会で通常行われている手法を尊重したうえで、現代企業における発想法として適用しようとする場合には、基本的には、5段階(出句(ORIGINATE)、清記(FAIR COPY)、選句(SELECT)、披講(PRESENT)、講評(REVIEW))を踏むことになっている。そして5段階の基本的なアプローチに従って、外部設計、モジュール分割、内部設計を行っている。後半では研究代表者の統括の元で、研究分担者および数名の大学院生で、前半で得られた5つのモジュールについて、特に利用者が使いやすいグラフィックユーザインタフェースという観点に留意の上、C++言語によるコーディングを進め、システムを構築している。その成果として、雑誌論文(3本)および学会発表(6本)をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画にしたがって進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
継続に研究計画にしたがって進む。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に構築した句会法に基づくアイディア創出支援システムの有効性、特に「初心者からベテランまでの意見をうまく吸い上げることができること」を確認するために、十数名程度の被験者による実証実験を行う。ノートPC2台は、研究代表者がすでに所有しているノートPCと併せて、複数被験者に実験をしてもらうために使用する。本提案システムは、最終的にはフリーソフトとして公開することを企画しているが、2カ年の研究期間内では、ソフトコンピューティングあるいは感性工学の研究者グループに限定して公開して有効性を検証する。そのために、平成26年度に継続して、FSS2015, ISIS2015などいくつかの関連している国内および国際会議研究会で発表しプロモーション活動を行う。また、平成26年度末、研究分担者(廣田薫先生)が定年退職しているため、本校留学生に被験者およびテスト作業を委託予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
ノートPC Panasonic製 Let’s Note 2台を購入する予定である。国内学会発表においては、FSS2015/3日間×1名の参加予定である。海外学会発表に関しては、ISIS2015/韓国/4日間×1名、およびIWACIII2015/中国/5日間×1名の参加で、論文発表予定である。また、週5時間程度、学生にテスト作業を委託予定である。
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