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2014 年度 実施状況報告書

芸術鑑賞における情動のメタ認知の脳内機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 26540149
研究機関玉川大学

研究代表者

川上 愛  玉川大学, 脳科学研究所, 科研費研究員 (70722007)

研究分担者 岡田 浩之  玉川大学, 工学部, 教授 (10349326)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード代理情動 / 悲しい音楽の心地よさ / 情動のメタ認知 / 共感性
研究実績の概要

本年度は、当初の実験計画通り、音楽の聴取およびセルフモニタリング尺度への回答を課題とする聴取実験を成人を対象に実施した。また、自己の情動状態のメタ認知を捉える指標として、セルフモニタリング尺度だけでなく、関連すると予想される数種類の尺度に対する回答も課題に加えた。実験においては、被験者が本実験において音楽の聴取と上記数種類の尺度への回答との関連性が実験の目的であると予想し、それを考慮した回答をすることを避けるため、新たに本の一節を朗読するという課題を設けた。加えて、申請者は本年度、相反情動について様々な視点から考察を深め、相反情動の生起が可能となるのは、直接自身に喪失体験が降りかかることのない、いわゆる代理的な情動が体験されるためであるとの考えをさらに拡張し、同様に代理的な情動体験である共感性に着目するに至った。そこで、共感性の観点から相反情動のメタ認知を検討するため、共感性が獲得され始めると予想される年齢の児童を対象とした集団聴取実験を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初計画していた聴取実験が順調に完了していることに加え、実験の結果は、すでに国内学会にて発表し、かつ国際学会にて発表することが決定している。次年度実施予定であった実施項目の一つである、研究内容をまとめて海外誌へ論文を投稿するという点に関し、既に結果をまとめて論文を執筆し、海外誌に投稿し、現在査読中であることを踏まえると、当初の計画以上に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

本年度は、2015年度に実施予定である脳活動計測のために、聴取実験を実施し、次年度の実験の準備をすることが目的であった。これに関し、研究分担者には脳活動計測の環境整備を課題としていたが、課題の実施が遅れているため、その遂行が今後の課題である。一方で、共感性との関連性については今後研究を深めることが可能であると予想され、すでに共感性との関連について助言および解析を担っている研究者を新たに研究分担者として加えることで、こちらも進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額\18,014が生じた理由は、前年度実施した聴取実験で必要であった全ての機材の購入において、一番安い価格を設けている店舗から購入したためである。したがって、当初使用予定であった金額よりも少額の使用となった。

次年度使用額の使用計画

本実験では、前年度の心理実験でセルフモニタリング尺度高得点群に属する被験者を対象とし、悲しい音楽を聴取中の脳活動をfMRIによって計測する。これにあたり、次年度使用額\18,014は、fMRI実験において必要な機材の購入および被験者への謝金に使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Children with a high perspective taking ability like sad music2015

    • 著者名/発表者名
      Ai Kawakami, Kenji Katahira, and Minoru Asada
    • 学会等名
      EuroAsianPacific Joint Conference on Cognitive Science
    • 発表場所
      イタリア トリノ
    • 年月日
      2015-09-25 – 2015-09-27
  • [学会発表] 児童向け音楽用感情状態測定尺度開発の試み2015

    • 著者名/発表者名
      川上愛
    • 学会等名
      日本音楽教育学会中国四国地方例会
    • 発表場所
      岡山大学(岡山県)
    • 年月日
      2015-02-28 – 2015-02-28
  • [備考] 研究業績 川上愛

    • URL

      https://sites.google.com/site/chuanshangaidesu/home/yan-jiu-ye-ji

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公開日: 2016-05-27  

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