本研究では,人工細胞膜小胞の生成,人工細胞小胞内での化学反応の制御,人工細胞小胞同士の相互作用に関して,制御システムのためのマイクロ流体デバイスの構築を行った.人工細胞膜小胞の生成では,遠心キャピラリデバイスという単純な仕組みによって細胞サイズの人工細胞膜小胞(リポソーム)を生成できることを示した.化学反応の制御では,油中水滴の融合と分裂現象をコンピュータで制御することによって,物質の流入出を制御し,代謝のモデルとしての化学リズム反応の制御に成功した.このような人工細胞小胞の融合分裂を用いた,物質交換による相互作用(分子情報通信)の手法の開発も行った.
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