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2016 年度 実績報告書

2種細胞間に分担されたポジティブフィードバックによる細胞集団挙動のプログラミング

研究課題

研究課題/領域番号 26540152
研究機関早稲田大学

研究代表者

木賀 大介  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30376587)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード合成生物学 / 数理モデル / 細胞間コミュニケーション
研究実績の概要

本研究では合成生物学において重要な、遺伝子発現制御のプログラミングを行うことを目的とした。最終的に、合成生物学を、一般の自然科学や工学と対比させることで、生物学のこれらからの差異を明らかにすると同時に、これらと生物学とをつなぐことで、生物学を飛躍的に発展する方策「設計生物学」の概念をまとめ、各種学会・研究会で発表することができた。
本研究では、種々の制御情報の中で、相手細胞からの細胞間通信分子を受け取って、相手を活性化させる分子を放出させる様式のポジティブフィードバックに注目した。ポジティブフィードバックは、短時間に細胞集団の挙動を変化させることができるという優位性を持つものの、細胞内反応のゆらぎにより自発的に活性化してしまうという欠点を併せ持つことが知られている。このため、物質生産に人工遺伝子回路を活用する際に、ポジティブフィードバックを活用することには非常な困難が存在すると考えられてきた。本研究ではこの問題を回避するために、ポジティブフィードバックを、2種の細胞を混合した場合にのみ発動する形式で構築し、研究を進めた。増殖速度の変化の測定の結果、抗生物質による増殖阻害による速度低下、および、相手からの通信分子によって誘導される耐性遺伝子の発現によって阻害が緩和され速度低下が回復する様相のみならず、通信分子の生産自体が増殖速度の抑制を生じさせている様相を、定量的に評価することができた。その結果を活かし、それぞれの細胞を別個に培養し、その培養上清を交換することが、ゲーム理論における囚人のジレンマの利得表を生きた細胞によって実装することになるという、新規の細胞集団挙動のプログラミングをすることもできた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] A Bacterial Continuous Culture System Based on a Microfluidic Droplet Open Reactor2016

    • 著者名/発表者名
      Manami ITO, Haruka SUGIURA, Shotaro AYUKAWA, Daisuke KIGA, Masahiro TAKINOUE
    • 雑誌名

      Analytical Sciences

      巻: 32 ページ: 61-66

    • DOI

      10.2116/analsci.32.61

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 設計生物学2016

    • 著者名/発表者名
      木賀大介
    • 雑誌名

      人工細胞の創製とその応用

      巻: . ページ: 187-198

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 設計生物学 ― 博物学ではない生物学の構築2017

    • 著者名/発表者名
      木賀大介
    • 学会等名
      第2回 デザイン生命工学研究会
    • 発表場所
      神戸大学統合研究拠点
    • 年月日
      2017-03-22
  • [学会発表] Effects of downstream genes on synthetic genetic circuits2017

    • 著者名/発表者名
      Takefumi Moriya, Zicong Zhang, ○Shotaro Ayukawa, Masayuki Yamamura, Daisuke Kiga
    • 学会等名
      Effects of downstream genes on synthetic genetic circuits
    • 発表場所
      神戸大学統合研究拠点
    • 年月日
      2017-03-22
  • [学会発表] Systems biology : Synthetic biology = Systems chemistry : ???2017

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Kiga
    • 学会等名
      ELSI symposium
    • 発表場所
      Tokyo Tech
    • 年月日
      2017-01-12
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 設計生物学と進化工学のあいだ2016

    • 著者名/発表者名
      木賀大介
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2016-12-11
  • [学会発表] 多細胞合成生物学2016

    • 著者名/発表者名
      木賀大介
    • 学会等名
      第54回日本生物物理学会年会
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      2016-11-27
  • [学会発表] 合成生物学についての大学教育2016

    • 著者名/発表者名
      木賀大介
    • 学会等名
      日本遺伝学会第88回大会
    • 発表場所
      日本大学国際関係学部 三島駅北口校舎
    • 年月日
      2016-09-09

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公開日: 2018-12-17  

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