研究実績の概要 |
まず、研究実施場所として、当初想定していた東京大学大学院・理学系研究科・生物科学専攻・黒田真也研究室が遠方であったため、京都大学大学院・医学研究科・青木一洋特定准教授に、青木研究室にて本研究課題の推進に必要な実験を行わせていただくことをお願いし、ご承諾いただいた。現在、同研究室にて実験を行っている。 平成26年度は、本研究課題以外の、研究者代表者自身を雇用している研究課題(脳科学研究戦略推進プログラム「脳プロ」)を推進することを優先させたため、本課題の進展は若干遅れた。それでも、第一に生体分子メモリ(CaMKII-FRET)の読み出しのために必要な蛍光顕微鏡の扱いに習熟し、CaMKII-FRETと同様のFRETプローブであるEpac1-campsにより観測の条件検討を行った。第二に、CaMKII-FRETの光刺激方法であるCaged-Ca2+の選定と適切なCa2+解放のための条件検討を行った。第三に、(1) AddgeneよりCaMKII-FRET(Camui-CR)のcDNAを入手し、(2) cDNAより野生型(WT)に加えてT286A, T305A, T286AT305A,3つの点変異Insertを作成し、(3) InsertをpFastBac1ベクターへ導入してバクミドを作成し、(4) バクミドをSf21細胞へTransfectionし、(5) WT, T286A, T305A, T286AT305A CaMKII-FRETのバキュロウイルス産生とタンパク発現の確認を行った。今後、各種CaMKII-FRETをSf21細胞内にて大量生産し、生産したCaMKII-FRETを精製して光刺激実験に供する予定である。
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