研究実績の概要 |
平成27年度は、本研究課題以外の研究者を雇用している研究課題(「脳科学研究戦略推進プログラム[脳プロ]」)を推進することを優先させざるを得ず、本課題の進展は大変遅れた。ただし、昨年度より、野生型(WT)に加えてT286A, T305A, T286AT305A,3つの点変異を作成し、cDNAをpFastBac1ベクターへ導入し、pFastBac1ベクターより作成したバクミドをSf21細胞にTransfectionしてバキュロウイルスの作成を行った。さらに、WT, T286A, T305A, T286AT305Aの4つのCaMKII-FRETタンパク質をSf21細胞内にて大量に生産中である。さらに、光学系の検討・習熟のため、京都大学大学院・医学研究科・松田―青木研究室にて、蛍光顕微鏡および共焦点蛍光顕微鏡の使用方法を習った。また、精製CaMKIIにおける再構成実験に加えて、HeLa細胞などの培養細胞をドメインとしてCa2+刺激に対するCaMKII-FRET活性のNMDA受容体依存的な局在を定量的に観測する可能性を検討している。そのために、HeLa細胞内において、EGTA-Ca, NPEC-DAなどのケージド化合物を用いて細胞内局所へCa2+刺激を行うための条件検討を行っている。さらに、CaMKII同様のFRETを示すEpac-campsのFRET活性を用いて細胞内局所活性の観測の条件検討を行っている。
|