研究実績の概要 |
近年、経営分析支援システム、医療文書システム、電子クリパスシステム、地域医療連携システムを有機的に連携させることが必要となっていた。これらの各システムとDWHとをどのように位置づけ、DWHの役割を明確にしていくことが重要となっていた。しかし、主にHISベンダーとDWH構築ベンダーとの十分な情報連携が必要であった。また、大学病院を中心に患者情報の2次活用システム(DWH)が構築され、いくつかの施設では実績を挙げているという報告があったが、十分な成果が挙げられている状況ではなかった。このような状況の下、大学病院におけるHISや電子カルテの開発、運用の経験を踏まえて、本院における真に使えるDWH構築を目指した。 その経過の中で情報セキュリティ、情報活用、人材育成についても総合的に検討した。具体的なアプローチとして、次の3つの観点で研究を行った。観点1として、患者情報の2次活用システムでは、他の医療機関を含めて実績のある患者情報の2次活用DWHの実績と経験を整理するとともに、DBのタイプ(リレーショナル型、バラスドツリー型)の相違、実績、2次利用系としての適切性なども比較検討した。具体的な展開については、2段階でのデータ取り込みを計画し、その結果構築は成功した。また、標準的なシステムメニューによる活用及び、SQLを併用して複雑なデータ活用についても実績を挙げてきている。観点2として、地域医療連携支援では「あじさいネット」との連携を中心に、2次利用系からの展開についても問題点と拡張性を検討した。観点3として、EHRシステム、NDBでは、最先端の海外の関連学会に参加し、世界的な視野で情報収集と分析を行った。 今後、人材育成を含めてDWHシステムの活用を図っていく予定である。また、EHR,NDBへの展開を踏まえて、他の同様な研究とも連携し推進していく所存である。
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