研究課題/領域番号 |
26540175
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
野間 春生 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (00374108)
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研究分担者 |
松村 耕平 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (80629600)
多田 昌裕 近畿大学, 理工学部, 講師 (40418520)
黒田 知宏 京都大学, 医学研究科, 教授 (10304156)
岡本 和也 京都大学, 医学研究科, 講師 (60565018)
池田 香織 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (10706716)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 医療・福祉 / 医療情報 |
研究実績の概要 |
研究課題1”ヘルスツーリズムに関するユーザの実態調査”については、インターネット上で運動意識に関する調査を実施した。5000名のスクリーニングで、年齢と性別、運動状況をチェックし、その結果を基に300名にして調査を実施した。 研究課題2”観光地での行動記録と分析”について、iOSとAndroidを搭載したスマートフォンに対応した運動計測ソフトウェア、ならびに、それらの携帯端末から運動情報を収集し、その結果を提示するサーバーソフトウェアを開発し、複数のユーザの情報を自動的に収集するシステムを開発した。 研究課題3”観光のゲーミフィケーション化Phase1”、課題4の”ゲーミフィケーションの効果検証phase1"として、滋賀県長浜市と協力して、社会実験を実施した。研究目的では観光旅行をターゲットとしているが、長期での実施よりも、多くのユーザの同時実施によるゲーミフィケーション効果を計ることを優先することを考え、短期的なイベントとしての実施を行った。結果として、450名の参加者を得て、それぞれの参加者が10日間の運動計測とその結果を元にしたゲームを体験することができた。今回設計したゲームでは、運動することを直接の目的とするのでは無く、より運動することで、所謂ポイントの様なものをより獲得できること、そして、そのポイント数をグループとして競うこと、さらには、競った結果として賞品を与えること、参加費を自分で負担することを特徴としている。ゲームとしてポイントを稼ぐことと、結果として賞品が得られるというルールは、いわば正の報酬として、ユーザに働きかける。一方で、自分で参加費を支払うと言うことは、ゲームをクリアできなければ、賞品を獲得する機会を逸すると言うことを意味し、いわばマイナスの報酬と言える。これに、グループとしての共同参加、あるいは、強制力を導入することが、本手法の特徴である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当該年度にはゲーミフィケーションシステムの基本部分の開発を完了し、滋賀県長浜市において社会実験を実施した。 アンケートの結果において、社会実験の前後において、運動の意識を計る設問において、日常から運動することを心がける設問での運動意識向上を示す結果が得られた。また全国的なアンケートと比較しても、長浜市での運動意識傾向は一致しており、本手法が広く応用できる可能性が高いと判断した。 来年度には、当該年度の結果をもとにこのシステムと手法を拡張し、再度の社会実験を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度に実施した社会実験によって、システムとしての課題、データ収集の運用に関する課題、さらには、実際に生活の中で利用するための課題を、それぞれ得ている。これらの課題を解決するための手段を研究し、再度の社会実験においてその効果を検証する。 また、アンケートによって得られた結果を受け、設計したゲーミフィケーションの効果が見られた部分と見られなかった部分が明らかになっている。これらの結果を、次年度に実施する実証実験に反映させ、より運動する行動意識を喚起し、その意識を継続させるための手段を調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
スマートフォンの仕様が困難な高齢者向けに、社会実験に必要な機材の一部を通信機能付き歩数計に変更するため、その消耗品の調達にあてるため。
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次年度使用額の使用計画 |
通信機能付き万歩計30台(単価5000円)と、通信の為に必要なNFC受信装置とネットワーク機器の購入を行う。
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備考 |
その他、報道発表あり
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