本研究は,SDN本来の機能であるソフトウェアによるネットワーク構成の動的な変更を行う技術の習得を目的とした演習の開発のため,演習題材としてデータセンター内ネットワーク構築を取り上げ,サーバ負荷等のネットワーク外の状況をネットワーク構成に反映させる演習を行うことが可能な演習システムの構築を行う. 平成27年度は,前述のサーバ負荷の変化を再現するための「負荷コントローラ」の開発を行った.これは,演習システム上のネットワーク環境内に仮想的なクライアントを複数生成し,それぞれからネットワークトラフィックを発生させることと,トラフィック量を動的に変更することで,ネットワーク構成の動的な変更に関する演習が可能となった.この機能を,前年度に開発した演習支援システムに組み込むことで,実際に授業に適用することが可能となった. さらに,この演習システムを使用した授業実践を行い,実際の授業において有効に機能するかの検証を行った.この検証において,演習のための機能は十分満足するものであったが,学習者にとってはユーザーインターフェースが重要であることが判明したため,来年度実施予定の機能改善のための予備調査も実施した.
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