本研究は,SDN本来の機能であるソフトウェアによるネットワーク構成の動的な変更を行う技術の習得を目的とした演習の開発のため,演習題材としてデータセンター内ネットワーク構築を取り上げ,サーバ負荷等のネットワーク外の状況をネットワーク構成に反映させる演習を行うことが可能な演習システムの開発を行う. 平成28年度は,前年度までに行った個別の技術開発を統合し,実際の授業への適用が可能な演習システムの構築を行った.また,昨年度の試験運用からユーザーインターフェースが重要であることが判明したため,学習者にとって負担の少ないユーザーインターフェースへと変更を行った.これらの改善を行った演習システムを実際の授業に適用し,演習システムの評価を行った.評価は,工業系短期大学校2年生のクラスと,大学院修士1年生のクラスの,演習内容の複雑さの異なる2つの授業の演習に適用することで行ったが,内容の程度にかかわらず,演習を円滑に進めることができた. さらに,学習者の演習の進捗状況を可視化する機能の追加開発を行った.これは,ユーザーインターフェースの改善と共に行った機能追加であり,教授者に学習者の演習状況をリアルタイムで表示するものである.これにより,教授者は,演習中に学習者の進捗状況を把握することが可能となり,クラス全体の進度調整だけでなく,進捗の芳しくない学習者への個別支援も可能となった.
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