研究課題/領域番号 |
26540191
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
中原 住雄 関西大学, システム理工学部, 准教授 (90067760)
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研究分担者 |
松島 恭治 関西大学, システム理工学部, 教授 (70229475)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ホログラム / 計算機ホログラム / レーザリソグラフィ / ディスプレイ / タイリング / 広視野角 / 広視域 |
研究実績の概要 |
近年、有機ELや液晶などのディスプレイ分野における研究が盛んに行われている。これらは、次世代型のテレビやモニターなど新しいディスプレイとして期待を集めており、多くは近距離にいる人に情報を伝達することを目的としたものである。 本研究では遠距離に視覚的情報を伝達する方法としてホログラフィ技術に注目し、これを応用したホログラムを作製した。ホログラフィー技術では伝達すべき情報を記録したホログラムに再生照明光を照射することで情報が再生され伝達される。作製したホログラムは道路標識などへの応用が考えられるが、このような用途に用いる場合50m程度離れた距離のドライバーに道路標識板に相当する情報を伝達する必要がある。しかし、一般にホログラムを作製する場合、求める結像距離が長くなると、それに見合った撮影スペースが必要となる。そこで、この問題を解決するために計算機ホログラムを導入した。計算機ホログラムは記録条件に制約が少なく、物体光と参照光との干渉縞の強度分布を計算することで、実存する物体だけではなく、理想的な物体のホログラムも作製する事ができる。計算機で求めた干渉縞の強度分布の出力装置として、本研究ではレーザ直接描画装置を用いた。このレーザ直接描画装置を用いることで、高解像度な計算機ホログラムを作製することができる。 本研究では、再生像の広視域・広視野角での視認性が最も重要な課題である。そこで、広視域の視認性を向上させる手段の一つとしてホログラムのタイリングを行い、また広視野角での視認性を向上する手段として、レーザ直接描画装置の描画手法及びレーザ描画ホログラム用基板の選定により、高解像度のホログラムの作製を目指した。その結果、タイリングにおいて数メートルの視域を確保でき、レーザリソグラフィにより320nmピクセル単位の干渉縞が描画でき、波長633nmで、視野角80度以上を得る事が出来た。
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