研究課題/領域番号 |
26550006
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
持田 陸宏 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (10333642)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 水晶振動子 / 有機エアロゾル |
研究実績の概要 |
本研究は、質量変化を高感度で計測する水晶振動子マイクロバランス法を用いて、大気中の微粒子(エアロゾル粒子)に含まれる化学成分が有機ガスを吸収する程度を測る手法を確立すること、そしてその手法を用いて、大気有機エアロゾル成分の有機ガス吸収能力の特徴を明らかにすることを目的としている。今年度は、水晶振動子マイクロバランス法による計測を行うための機器を新規に調達し、それを用いた簡易的なテストを実施した。このテストでは、水晶振動子に大気エアロゾル試料の抽出に利用できる溶媒(メタノール、ジクロロメタン)をマイクロシリンジから滴下し、溶媒が揮発した後に共振周波数の変動の程度を計測した。また、2010年に名古屋大学においてエアサンプラを用いて採取した大気エアロゾル試料に対して超音波抽出を行って得た溶液試料を用い、共振周波数の変動を計測した。同時期に用意したブランクフィルタに対して抽出作業を行って得た試料に対しても同様の観察を行った。なお、この方法では水晶振動子の表面に薄い膜を適切な位置に生成することが難しいと考えられることから、これらは予備的な動作確認としての実施にとどめ、今後、アトマイザを利用して水晶振動子に試料を吹き付ける方法の検討に移る必要がある。また、有機ガスを導入する配管を用意し試料を付着させた水晶振動子に曝露するテストもこれから実施し、有機ガスを吸収する程度を測定するための本格的なデータの取得に移る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初計画していた研究を実施するための時間を十分に確保するに至らず、初年度の研究は予定よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
アトマイザを用いて溶液を微粒子化して水晶振動子の表面に付着させる手法を確立することが本研究の目的を達成する上で特に重要だと考えられ、この早期の実現を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
有機物の化学構造の特徴に関する解析を強化することを視野に入れていたが、H26年度内にはその強化のために十分に使用するに至らなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
有機物の化学構造の特徴に関する解析にあてることを基本とするが、研究の進捗状況を考慮してその使用について判断する可能性がある。
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