南大東島における植生による地下水浸透メカニズムとそれに伴う鍾乳石形成メカニズムの違いについて検討した.その結果, 二酸化炭素濃度の高い土壌に浸透した降水が多量の二酸化炭素を溶存し,その結果,下位の基盤炭酸塩岩を溶解する.しかし少雨期には,土壌の乾燥により,降下浸透する滴下水で蒸発が活発に起こり,それに伴い二酸化炭素が脱ガスする.それにより,滴下水の過飽和度が高くなり,石筍の成長速度が速くなる.洞内の滴下水量データから甘蔗園土壌の方が乾燥しやすいことが推定され,そのため,甘蔗園下の方が過飽和度は高くなり,石筍の成長速度は速くなることが明らかになった.
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