本研究では、熱帯樹木による塩化メチル放出量と水利用特性との関係を明らかにすることを目的としている。今年度は、昨年度と同様、ボルネオ島のランビル国立公園において葉群からの放出ガス試料の採取を行った。また、今年度から新たに葉試料中のイオン成分の測定に着手し、現場での葉試料の採取・前処理(葉の乾燥・粉砕・水抽出)と国内のラボにおけるイオンクロマトグラフ測定を実施した。これらの結果を用いて塩化メチル放出量と葉試料中の塩化物イオン濃度の比較を行った。水利用特性の解析に必要な樹液流データについては当該サイトで観測されたものを利用できる見通しとなったが、葉群による塩化メチル放出量と直接比較が可能な枝条の蒸散流計測についても検討を行った。
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