秋田県一ノ目潟の湖底堆積物の分析から過去100年規模のブラックカーボン(BC)の沈着フラックスの推定を行い、全球化学輸送モデルとの比較を行った。東アジア域ではBCは非常に速い時定数で降水による除去を経験し得ることを見出し、モデル改良に資する結果を得た。一ノ目潟へ沈着するBCの88%は東アジア大陸に起源をもち、1950年代から2000年代までの間にゆるやかに年間沈着フラックスが増加していた。(57-136 mg/m2)同時期にの排出量推計においては、東アジア域のBC排出量が4倍以上の増加している。日本近海の海表面気温の上昇に伴う降水量の増加が、輸送効率を低下させていたことが要因として考えられる。
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