研究課題/領域番号 |
26550024
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
増田 雄司 名古屋大学, 医学系研究科(環医), 准教授 (30273866)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ユビキチン化PCNA / 脱ユビキチン酵素 / 損傷トレランス機構 |
研究実績の概要 |
ヒト損傷トレランス機構には二つの副経路、忠実度が低い(error-prone)損傷乗り越えDNA合成(translesion DNA synthesis, TLS)と、忠実度が高い(error-free)鋳型鎖交換反応を介したtemplate switch (TS)経路が存在し、PCNAのユビキチン化により制御される。PCNAのモノユビキチン化はTLS(error-prone)を、ポリユビキチン化はTS(error-free)を促進することから、その制御は遺伝的安定性の維持にとって極めて重要である。酵母ではPCNAのモノ/ポリユビキチン化による制御機構の概念が確立しているが、ヒト細胞ではポリユビキチン化がほとんど検出されないため、その制御機構は不明な点が多い。本研究ではこの現状を打破するため、斬新な脱ユビキチン酵素を同定、解析することによって、ヒトでの損傷トレランス制御機構の解明を目指している。
本年度は、ユビキチン化PCNAに対する新規脱ユビキチン酵素をHeLa細胞の抽出液中から精製し、質量分析によってその酵素を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画通り、ユビキチン化PCNAに対する新規脱ユビキチン酵素をHeLa細胞の抽出液中から精製することに成功した。この実験に伴って予想外の発見があり、その解析のため、当初予定した実験が十分できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に計画した新規脱ユビキチン酵素の同定に関しては、予想外の発見に伴う解析を行ったために、研究の進行が一部停滞した。これに関しては、次年度に行う。それ以外については、これまで通りに研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は当初の計画通り、ユビキチン化PCNAに対する新規脱ユビキチン酵素をHeLa細胞の抽出液中から精製することに成功した。ところが、この実験に伴って予想外の発見があり、その解析のため、当初予定した実験を行うことができなかった。この当初予定していた実験は次年度に行うものとし、その分の経費が次年度に繰り越された。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度に計画した新規脱ユビキチン酵素の同定に関しては、予想外の発見に伴う解析を行ったために、研究の一部を行うことができず、繰越し金が生じた。次年度は、この繰越し金を使って、新規脱ユビキチン酵素の同定についての実験を行う。それ以外については、これまで通りに研究を推進する。
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