放射線や生体に生じる内外のストレスの結果として、細胞内の活性酸素種(ROS)産生が高まり、核内のDNA 損傷が引き起こされる。脳虚血や緑内障に伴う低酸素血症でも、放射線と同様にDNA2本鎖損傷フォーカスを形成することが報告されている。この損傷部位に集積する53BP1 タンパク質にGFP を融合させたセンサータンパク質をマウスに発現させ、生きた神経組織でのDNA損傷応答を観察することを試みた。増殖する培養細胞とは異なり、分化した神経細胞の組織内ではDNA 損傷応答が抑制されていることが明らかとなり、分化した組織の特殊性が明らかとなった。
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