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2014 年度 実施状況報告書

次世代シーケンサーを用いたゲノム損傷マッピング

研究課題

研究課題/領域番号 26550030
研究機関広島大学

研究代表者

井出 博  広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30223126)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードDNA損傷 / DNA修復
研究実績の概要

放射線や他のDNA損傷因子はゲノムに損傷を誘発するが,ゲノム全体にわたる損傷の初期分布や部位ごとの修復効率の違いは明らかにされていない。本研究では,DNA-タンパク質クロスリンク(DPC)損傷に注目し,DPC形成部位と頻度をゲノム全体にわたり高分解能にマッピングし,クロマチン構造等との関連を解析する。本年度は,DPCを含むDNA断片を選択的に濃縮する手法を検討した。まず,DPCを含むモデルDNAを調製し,DPCをNHS-biotinで標識した。biotin標識したDNAをアビジンビーズでpull downし,変性処理によりDNAを回収した。しかし,良好なDNA回収率は得られなかった。そこで,制限酵素処理によるDNAの断片化,NHS-biotinのリンカーサイズ,アビジンビーズの種類を変え条件検討を行った。その結果,DNAの回収率を大きく向上することができた。次に,培養細胞をX線照射し,塩化セシウム密度勾配法によりDNAを精製した。DNAをNHS-biotinで標識後,制限酵素処理により適切なサイズに断片化した。モデルDNAで得られた条件を用いてDNAをpull downした結果,分析に十分な量のDNAが回収された。また,未照射細胞から精製したDNAはほとんどpull downされなかったことから,DNAがDPC依存的にpull downされていることが確認された。現在,回収したDNA断片のPCR増幅に対するクロスタンパク質の影響を検討するため,プロテアーゼ処理の影響を調べている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は,DPCのbiotin標識とアビジンビーズを用いたpull downにより,DPCを含むDNAの選択的な濃縮法を確立することができた。また,次のステップであるDNA断片のPCR増幅条件検討にも着手した。

今後の研究の推進方策

X線照射した培養細胞を試料として,DPCを含むDNAを選択的に濃縮し,次世代シーケンサーでDNA 断片を一括して配列決定する。得られた配列情報を用いて,DPC形成部位と頻度をゲノム全体にわたり高分解能にマッピングする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Role of isolated and clustered DNA damage and the post-irradiating repair process in the effects of heavy ion beam irradiation2015

    • 著者名/発表者名
      Tokuyama Y., Furusawa Y., Ide H., Yasui A., and Terato H.
    • 雑誌名

      Journal of Radiation Research

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1093/jrr/rru122

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] アルデヒドが誘発するDNA損傷の解析2014

    • 著者名/発表者名
      中野敏彰,謝明章,合田美月,Mahmoud Shoulkamy,井出博
    • 学会等名
      日本環境変異原学会第43回大会
    • 発表場所
      一橋大学一橋講堂,東京
    • 年月日
      2014-12-04 – 2014-12-05
  • [学会発表] Analysis of DNA-protein cross-link damage induced by ionizing radiation2014

    • 著者名/発表者名
      Amir Salem,服部峻,瀬畑敬文,久保山政弥,中野敏彰,井出博
    • 学会等名
      第39回中国地区放射線影響研究会
    • 発表場所
      広島大学医学部,広島市
    • 年月日
      2014-07-18 – 2014-07-18

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公開日: 2016-05-27  

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