本研究では、クラスターDNA損傷の未知の変異誘発機構に対する知見を得るため、クラスターDNA損傷において変異誘発性のDNA損傷があるDNA鎖がDNAポリメラーゼにより優先的に複製されかどうかの検証を行った。検証を行うため、新たなプラスミド作製法を開発し、クラスターDNA損傷を有するプラスミドDNAの各々の鎖のどちらを複製に用いているかを調べる実験系を構築した。本研究で開発した実験系を用いて調べた結果、(1)クラスターDNA損傷の周囲は一方の鎖が優先的に複製されること、また、(2)一方の鎖が優先的に複製される範囲は数十塩基対であり、(3) 優先的複製はPolIに依存すること、を突き止めた。
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