研究課題/領域番号 |
26550035
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
鳥居 建男 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 福島研究開発部門 福島環境安全センター, 特任参与 (20421795)
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研究分担者 |
眞田 幸尚 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 福島研究開発部門 福島環境安全センター, 技術副主幹 (40446448)
村岡 浩治 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, その他部局等, 研究員 (80358655)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 雷雲上空 / 制動放射線 / 高エネルギー電子 / TGF / 航空機 |
研究実績の概要 |
放射性物質が与える雷放電の発生に与える影響や人工衛星で観測される地球起源γ線フラッシュ(TGF)との関係について明らかにするために、26年度にJAXA実験用航空機「飛翔」を用いて夏季は福島県内の雷雲上空における放射線と雷放電の関係を観測(8月7,8日)を、冬季は日本海沿岸において雷雲上空の観測(12月6,8,9,22日)を実施した。測定には、大気中の放射能の変動を観測する検出器(50keV~3MeV)と雷雲電界で発生するであろう高エネルギー放射線の測定器(200keV~30MeV)の測定器を用いた。この結果、夏季は雷雲高度(15km超)が高く、許可された飛行高度が雷雲直上まで十分に達せられなかったこともあり、有意な指示値は確認できなかった。冬季は、わずかであるが、指示値の変動が確認され、現在詳細解析を実施中である。 また、外部電界を組み込んだ放射線挙動計算コードを作成し雷雲電界内での放射線挙動を解析、大気中における高エネルギー電子・光子束の変動を解析した。 これらの測定、解析結果は、放射線計測フォーラム福島(12月3日)、日本大気電気学会(1月10日)、欧州地球科学連合EGU学会(4月17日)に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
雷雲の電界構造をモデル化したモンテカルロ計算コードを作成し、実際的な雷雲電界中で電磁シャワーが発生し、雷雲上空に伝搬することを確認した。 また、航空機搭載用放射線測定器を製作し、JAXA実験用航空機「飛翔」に搭載して雷雲上空で観測実験を行った。
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今後の研究の推進方策 |
H27年度も継続観測を行い、雷雲上空での放射線測定を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、モンテカルロ計算用ソフトの購入契約と、そのソフトを使用した解析業務を別々に発注予定であったが、解析ツールの作成業務として一本化したことに伴い、その費用が節減された為。
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次年度使用額の使用計画 |
26年度に得られた成果と27年度に実施予定の研究成果について、27年度に開かれる国際会議にて発表するための旅費等として執行予定である。
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