大気中の放射線が雷放電に与える大気電気的影響について調査するため、雷活動時に地上で観測される長時間バーストと短時間バーストの構造を調査し、その特徴を明らかにした。また、JAXAの実験用航空機「飛翔」を用いて雷活動時に上空からの放射線の変動状況の観測を行ったが、有意な変動は認められなかった。その一方、2種類のGM管を搭載した気象ゾンデにより雷雲中の観測を行った結果、高度5から8km付近で放射線の計数率が上昇していることが分かった。また、同ゾンデの気象データから推定した電荷をモデル化した電界分布で放射線の挙動をモンテカルロ解析した結果、上方正電荷層で電子密度が急激に増加していることと符合した。
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