137Csの長期低線量・低線量率内部被ばくによる心筋への影響を検討するために137CsCl水溶液(100Bq/ml)を12ヶ月自由摂取させた群と対照群でそれぞれ3匹ずつのマウスを12か月間飼育した。 これらマウスの心臓の透過電顕による組織構造解析と代謝産物の解析を試みた結果、137Cs内部被曝群の心筋では、対照群に比してミトコンドリアの膨化像や巨大化像の頻度が高くなる傾向が認められたが、統計学的に有意な差はなかった。また、心筋の代謝系では、137Cs水摂取群で抗酸化ストレスに関わるグルタチオン(GSH)が有意(P=0.033)に減少し、解糖系もグルコース6リン酸などが有意ではないが減退していた。
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