研究課題/領域番号 |
26550041
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
八木 孝司 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80182301)
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研究分担者 |
川西 優喜 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70332963)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | エピミュータジェン / エピジェネティックス / バイオアッセイ |
研究実績の概要 |
本年度は検出系の確立を目指し、細胞およびプラスミドの樹立を行った。子宮がん細胞HeLa S3細胞にX線を1.5グレイ照射し10の5乗個を10 cmディッシュに播種し、30μM 6-thioguanineまたは100μg/ml ganciclovir抵抗性コロニーを単離した。これらクローン化された細胞がhprt遺伝子およびtk遺伝子欠失であることをRT-PCR法で確認した。 プラスミドHR210PA-1よりHSV-tk遺伝子を、hprt cDNAをPCR法でそれぞれ増幅した。またMGMT遺伝子プロモーターをアダプター付プライマーを用いてPCR法で増幅し、MGMTプロモーター(メチル化のターゲットとなるCpGアイランドを含む)の下流にHSV-tk遺伝子またはhprt cDNAをそれぞれ連結してプラスミドpSV3neoに導入した。このプラスミドは上記の細胞に導入した時にG418でポジティブセレクションが、tkの場合はガンシクロビル(Ganc)、hprtの場合は6-チオグアニン(6TG)でネガティブセレクションができる。現在プラスミドを構築中である。 でき上がった上記のプラスミドを制限酵素で直線化し、HeLa tk欠損またはhprt欠損細胞にトランスフェクトする。プラスミドが導入された細胞クローンをG418で複数個選択する。各クローン細胞をtkの場合はGANC、hprtの場合は6TGを含む培地で培養し、細胞が死滅することを確かめる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画どおりに進めているがプラスミドの作成に手間取ってる。概ね予定通りの進捗である。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度に引き続き、プラスミドを導入して細胞の樹立に努める。できあがった細胞はG418耐性・GANC感受性または6TG感受性であるはずであるが、ごく低頻度で自然にMGMT プロモーターがメチル化されることにより、tkまたはhprtが発現が発現するとGANCまたは6TG抵抗性になるはずである。それゆえ、G418・GANCまたはG418・6TGを含む培地でコロニー形成させspontaneous methylation frequencyを求める。 樹立した細胞の導入プラスミドのMGMTプロモーター配列をバイサルファイトシーケンシングによって決定し、CpGアイランドのメチル化のレベルを比較する。 メチル化を促進する可能性のある化学物質やEpimutagenicな作用をする可能性のある物質を細胞に処理し2週間培養後、GANC(tkの場合)または6TG(hprtの場合)抵抗性細胞の出現頻度を調べる。まず化学物質の候補として、ヒストンアセチル化酵素阻害剤、ヒストンリジンメチル基転移酵素阻害剤、BIX-01338、メチル基供与体であるS-アデノシルメチオニン、また環境汚染物質でエピミュータジェンの可能性があるビスフェノールA、亜ヒ酸ナトリウムなどを用いる。
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