気候変動に対して最も脆弱な開発途上国のスラムに居住する小児の健康影響を明らかにすることを目的として、バングラデシュの首都ダッカのスラム地区における小児肺炎サーベイランスデータと気象・環境データを使用し、特にインフルエンザについて時系列解析を行った。結果、インフルエンザAは、気温、相対湿度、日照時間、降雨量と有意な関連があり、インフルエンザBは相対湿度とのみ関連があることが明らかとなった。相対湿度が50-70%の範囲では両インフルエンザ型とも正の関連を認めた。本知見は、地球温暖化の健康影響推定のための基礎データとして有用であるとともに、インフルエンザ感染予防策への応用が期待される。
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