研究課題/領域番号 |
26550050
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
細野 高啓 熊本大学, 大学院先導機構, 准教授 (30367065)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 越境大気汚染 / 湖沼堆積物 / 放射性年代 / 微量金属 / 鉛安定同位体比 / 環境モニタリング / 環境影響評価 / 汚染史解読 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、既存の高山湖堆積物試料アーカイブスを用い、越境大気汚染シグナルを検出・整理し、時空間的に越境大気汚染の実態を把握し、それと同時に、越境大気汚染史解読に有力な故障の特定を試みることである。H26年度までにほぼすべての分析を完了させ、H27年度までには概ね解析が完了している状況で、かつ、それらの成果も国際学会において発表していたため、研究は概ね順調に進んでいた。本年度は、昨年度故障してしまった分析装置の復旧を目指し、H27年度からの繰り越し基金とH28年度の配当資金を合算させる形で、4月初旬に修理を行った結果、無事装置の修理は達成した。しかしながら、H28年4月(復旧からわずか1週間後)に熊本地震が発生し、装置が再び故障してしまう事態になってしまった。結果、数カ月のブランクを経て装置を復旧させ、最後の分析とメンテナンスを完了させるに至った。しかしながら、H27年度中に進めてきた最終成果を国際誌Science of the Total Environmentに掲載させることができ、論文中に本研究の目的とそれに対応する研究成果を示すことができたという意味から、当初掲げていた期間全体を通した目的を十分にクリアしたということができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述の通り、H27年度後半に起こった分析機器の故障からの復旧を果たした直後に、再び熊本地震によって分析機器の故障を引き起こしたが、こうした困難を見事に乗り越えることができ、現在は順調に分析を進めることができる状況にまで回復している。また、上述の通り、H27年度中に進めてきた最終成果を国際誌Science of the Total Environmentに掲載させることができ、論文中に本研究の目的とそれに対応する研究成果を示すことができたという意味から、当初掲げていた期間全体を通した目的を十分にクリアしたということができる。一方、こうしたいくつもの困難が重なり、当初予定していたEGU(European Geosciences Union)での学会発表ができなくなってしまった。これを受けて、一部基金分を来年度に繰り越し、学会での発表ならびに関連研究に対する研究動向調査を実施させる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
H28年度4月にウィーンで開催されたEGU(European Geosciences Union)において本研究成果の発表と関連研究に対する研究動向調査を実施させる予定であったが、直前に起こった熊本地震が原因でこの活動をキャンセルせざるを得ない状況となった。しかし、特に関連研究の動向を探るためには同学会への参加が極めて重要となるため、予定していた学会への参加経費を一部基金分から来年度に繰り越すことで、H29年4月に開催される同学会への参加・発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
H28年度4月にウィーンで開催されたEGU(European Geosciences Union)において本研究成果の発表と関連研究に対する研究動向調査を実施させる予定であったが、直前に起こった熊本地震が原因でこの活動をキャンセルせざるを得ない状況となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
特に関連研究の動向を探るためには同学会への参加が極めて重要となるため、予定していた学会への参加経費を一部基金分から来年度に繰り越すことで、H29年4月に開催される同学会への参加・発表を行う予定である。
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