本研究は、日本海側湖沼から既に得ている6地域6本の柱状堆積物を対象に、210Pbおよび137Cs年代推定、Pb濃度および鉛同位体比の分析・解析を行い、日本列島全域を対象とし越境汚染の時空間的分布特性を把握することを目的とした。研究の結果、当初計画した日本列島における越境大気汚染の時空間的分布が評価できたと共に、提案した手法が他地域でも応用可能であることが立証された。本手法が応用できる湖沼は特に北日本を中心に存在し、三日月湖、鳥海湖、みくりが池はその代表的な特定湖沼と認定できる。これらの湖沼については、今後も継続して研究やモニタリングを行えるような環境を保全していく必要がある。
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