本研究は、あらゆる環境に生息する微生物のメタゲノム解析から得られる膨大なデータをもとに環境微生物が有する様々な生理代謝機能を可視化し、数理・統計物理学的な手法やネットワーク解析を駆使して環境への影響を鋭敏に評価する方法論の開発を目的とした。具体的には既知の海洋メタゲノム配列を研究代表者らが開発中の生理代謝機能評価システム(MAPLE)を用いて環境微生物が有する様々な生理代謝機能を機能の充足率として数値化し、その数値の過大/過少評価を補正するための指標(Q値)の計算手法を考案した。また、機能の存在度の計算手法も開発し、これらの数値をもとに環境間の生理代謝機能や生物種組成の違い等を明らかにした。
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