本研究の目的は、既存の市販逆浸透膜の物理化学的構造をモディファイすることにより、簡易なプロセスで膜性能(汚染物質の除去率、目詰まり)を向上させることである。まず、一年目は塩素を用いて意図的にポリアミドの架橋構造を破壊することにより、膜性能の向上を検討した。しかし、本研究で対象とした逆浸透膜では、塩素処理条件を変えても膜性能を向上することはできなかった。二年目は、膜表面のポリビニルアルコールコーティング量が異なる膜を対象とすることにより、ポリビニルアルコールコーティングが目詰まりに与える影響を評価した。その結果、ポリビニルアルコールコーティングは目詰まりを軽減する効果があることが分かった。
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