硫酸の電気分解により生成する酸化性活性種(活性ラジカル)を含む電解液が炭素繊維複合材料(CFRP)のマトリックス樹脂を短時間で完全溶解できると考え、プロセスの基礎研究を行った。CFRPはエポキシ樹脂系の積層硬化物を用いた。酸化性活性種の生成量は硫酸濃度30%、電流値7Aの条件にて最大となり、この電解液を用いてCFRPマトリックス樹脂を完全溶解できた。再生後のCFの平均強度は平均490kgf/mm2で、再生前CFの強度(460kgf/mm2)と同等以上の性能となり、このプロセスがCFの性能低下を招くことなくCFRP廃材より原材料を回収できる有効な手法であることを確認した。
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