本研究では、核酸クロマトグラフィーとMultiplex-PCR法を併用することで、約20種の有害赤潮・貝毒原因藻をわずか3本のPCRチューブで15分以内に検出できる画期的な分子モニタリング手法の開発を目指した。まずは、麻痺性貝毒原因渦鞭毛藻として広く知られるAlexandrium属5種(有毒種3種を含む)を同時検出できる核酸クロマトチップの開発に成功した。DNA量で0.1-10pg、rRNA遺伝子が5-500コピーあれば、検出可能であった。本法は、PCR反応物を用いて、肉眼で判定する技術であり、従来法に比べ操作が簡単、短時間・複数種同時検出が可能であり、モニタリング現場で活用されつつある。
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