ツル植物(クズ,フジ,スイカズラ,ツルウメモドキ)が支持対象とする植物を構成要素とした植生の構造,登攀シュートの発生位置から支持対象となる植物までの距離,登攀シュートが支持対象となる植物へ取り付く高さ,登攀シュートの成長パターンを解析した結果,登攀の初期段階では宿主となる植生の利用様式が種間で異なる傾向が示された。通常,繁茂したツル植物は宿主となる植生と複雑に絡み合うために対象を区別した管理や繁茂しやすい植生の推定はできない。しかし本研究で示された初期登攀過程の種間差を活用すれば,精密な予防的管理が実現できることが示唆された。
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