研究実績の概要 |
本課題では、1.金属球蓄熱体の合金設計、2.潜熱蓄熱材を用いたバイオマス改質(炭化)実験装置の作製、3.提案プロセスのシミュレーションモデル開発、4.廃熱温度およびバイオマス特性に対応した蓄熱合金設計とプロセス原理提案の各項目について研究を進めている。 H26年度の研究実績の概要は以下のとおりである。 ・固相変態に伴う潜熱蓄熱を200~800℃に制御可能な合金組成を求めるため、高温精密DSC装置を使用し、代表的な廃棄物溶融メタル組成および鉄系合金試料の変態温度、潜熱蓄熱量を含む熱的性質について比較検討を行った。その結果、前者が蓄熱体材料として有望であることを確認した。また、700~1000℃での高温酸化実験を行い、耐熱性、耐酸化性について評価した。 ・バイオマスの乾燥・炭化実験を行うためのバッチ式の小型実験装置の設計を行った。代表的な試料としては木材チップを念頭におき、反応器のサイズを内径100 mm、長さ300 mm程度と設定し、外熱式で1000℃程度までの加熱を可能とする回転キルン型加熱炉とする。また、チップ試料の定量連続供給および炭化物の連続排出のための機構を設計した。乾留・炭化実験中は炭化室内温度の他、排出ガス中の主な成分(CO, CO2, H2O, 炭化水素ガスおよびタール成分)の連続測定が可能となるように既存のガスクロマトグラフ、赤外線ガス分析計等を整備した。なお、高温蓄熱材を扱うため、装入装置の冷却を工夫し、実験の安全性を確保できる構造とした。
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