1 仮説モデルの作成 生活機能(活動)と資源消費の関係を明らかにするために仮説モデルを作成する。WHOの「国際生活機能分類」の6つの構成要素をもとに、新たな仮説モデルを作成した。本研究では人間の活動の結果として、資源消費が生み出す環境への影響という「環境側面」、資源消費することで便利な生活を営めているかという「社会側面」、これに伴う費用や手間という「経済側面」の3つがあると仮定した。また、人間の活動を時間的に分類する際には、NHKの生活時間調査を参考にし、人間の活動を大きく、「拘束行動」、「自由行動」、「必需行動」「その他」の4つに分類した。作成した仮説モデルより活動と資源消費の関係を、4つの行動と3つの側面から総合的に判断し、実行可能な環境配慮行動の提案を行う。 2 各種値の算出 人間の活動から発生する各影響を値として算出する。環境側面の影響を判断するために、環境負荷に関する定量評価手法としてLCAを採用し、日々の生活の中で使用する製品単位でみた環境影響を算出した。なお、LCAのシステム境界は、素材(の調達)→製造→流通→使用→廃棄とした。 3 結果・考察 家庭での普及率が99%にもおよび、家庭内での消費電力が大きい家電である冷蔵庫を対象にLCA分析を行った。ここで、LCAの結果は、システム境界などの条件設定により結果の値がある程度異なることに注意しなければならない。結果より、各プロセスのおおよその環境影響値と、使用段階における環境負荷が他の段階に比べて多くの環境影響を引き起こしていることが分かった。したがって、使用段階での人々の意識や行動が重要であると考える。次に、経済影響として、産業連関表を用いて、生産額と温室効果ガス排出原単位との関係より、生産に要する環境負荷が生み出した生産者ベースの価値は7.65万円であることが分かった。
|