セルロソームを生産する好熱嫌気性Clostridium属細菌は、セルロース系バイオマスを原料とした好熱性メタン発酵槽のバイオマス分解において重要な役割を果たす。セルロソームとは、多種多様な糖質分解酵素と骨格タンパク質が結合した酵素複合体であり、セルロース分解性嫌気性細菌の細胞表層に提示される。骨格タンパク質と結合したセルロソーム構成酵素は、結晶性セルロースや植物バイオマスの様な結晶性基質の分解に相乗作用を発揮する。本研究では、バイオ燃料や化成品の発酵生産において有益な、セルロソーム中に本来存在しない酵素を発現する遺伝子組換え好熱嫌気性細菌の作出を行った。
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