研究課題/領域番号 |
26550104
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
中島 謙一 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 主任研究員 (90400457)
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研究分担者 |
村上 進亮 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40414388)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 物質フロー分析 / サプライチェーン / 土地利用 / 資源 / 金属 |
研究実績の概要 |
世界的な持続可能な資源管理への関心の高まりを背景に、本研究では、サプライチェーンを通じた各国間の繋がりを把握する事を目的に、世界の231の国と地域を対象として、国際貿易を介した金属資源(Fe,Cu,Niなど)の移動量を同定すると共に、資源利用とその需 給構造の解析に取り組む。また、特徴的な資源(Ni等)を対象に取り上げて、衛星画像解析にて、資源採掘に伴う土地改変量(Land use,TMR)の推計に取り組む。更に、2つの解析結果を組み合わせる事により、資源利用に伴いサプライチェーンを通じて誘発される土地改 変量の解析に取り組む。平成27年度の成果は以下である。
物質フロー分析については、Ni,Cu,Feを対象として、物質フロー・国際サプライチェーンの推計を実施した。更に、ニッケルについては、GLIOモデルを適用することで、2005年を対象として日本の経済活動が国際サプライチェーンを通じて誘引する資源採掘量の推計を実施した。 衛星画像解析については、これまで実施してきた衛星画像解析によるニッケル採掘に伴う土地改変面積の推計結果について、実際の鉱山の設計情報等と照らし合わせることで、その結果の確認を行った。その結果、現在検討対象としているニッケル鉱山については特に大きな問題はないものの、鉱山現場の地質的環境によっては難しい場合があることを確認した。また、世界に分布するニッケル鉱山を対象に、解析対象となりえる鉱山の画像検索と選定に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
物質フロー・サプライチェーンデータの精緻化等については、連携している他プロジェクトとの基盤データの共有と情報交流を進めることにより、より効率的にデータの整備・精緻化を進めることができた。 これにより、経済活動に伴う資源採掘量の推計、衛星画像解析による土地改変量の推計に注力して研究を実施することができた。一方で、両者について、学術的な価値を高めるためには、より詳細な解析やデータの精緻化などに加えて、更なる妥当性の検証の必要性について外部有識者より指摘を受けた。
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今後の研究の推進方策 |
物質フロー・サプライチェーンの解析については、時系列での推計を含めて、データの整備・精緻化と解析を進める。これにより、国際的な資源の需給構造の変遷、国・地域ごとの資源の需要量の変遷などについての解析を進める。 衛星画像解析については、これまで進めてきたニッケルに関する土地改変面積の推計を進めると共に、より一般的にどのような鉱山に対してこの手法が適用可能かなどの検討を進める。更に、ニッケルを事例として、年代ごと・鉱山ごとに解析対象となりえる衛星画像の有無や緯度経度情報などのリスト化を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
採掘活動に伴う土地改変量の衛星画像解析に際して、他の鉱山を対象とした解析を実施する前に、解析結果の精緻化と検証が必要であると判断したため。
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次年度使用額の使用計画 |
衛星画像の購入および画像処理のための費用に充てることを予定している。
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