研究課題/領域番号 |
26550112
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
内田 直仁 宮城大学, 事業構想学部, 准教授 (50352753)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 木質エネルギー活用の有効性 / 木質エネルギー活用の課題 / 木質エネルギーの採算性 / 木質エネルギーの政策・法規 |
研究実績の概要 |
研究成果:学会報告、報告学会:日本経営実務研究学会 タイトル:「地方再生における木質エネルギー活用の意義と課題」 報告内容:中間報告として、以下の内容を報告。 Ⅰ研究の所在(研究意義):木質エネルギー活用は、①林業活性化、②地方の雇用創出、③地球環境保護、④代替エネルギーとして有効。Ⅱ活用の意義:①日本は森林大国であり木質エネルギーの利用促進は有効であること、②薪は安価な国産再生可能エネルギーであり、代替エネルギー問題にも寄与すること、③薪利用による林業活性化は、Co2削減や里山再生等の環境問題に貢献すること、④林業や関連産業の活性化は、林業雇用創出と山村の過疎化防止に貢献すること。社会問題解決と利潤追求一致が両立することが重要であり、その可能性があることを示唆。Ⅲ課題:①エネルギー効率が悪いため、長距離輸送を伴う利用は不向きであり、地産池消の市場創出が必要・②エネルギー効率が悪いため、小規模の熱利用向きであり、薪ストーブ等の利用環境の整備が必要、③日本の植林は針葉樹が多く薪に不向きであるため、針葉樹林でも性能が発揮できるストーブの技術革新が必要、④関連法規が未整備であり、安全規制・利用促進法等、エコポイント以上の政策の検討が必要 とした。 研究目的は、①既存エネルギーより経済性優位を証明するための採算性の比較、②振興と環境配慮両立のための政策・法整備である。平成26年度の研究実施計画として、①木質資源をエネルギーにする装置の分類の体系化、②木質エネルギーの体系化、③バイオマス発電のの採算性、④薪ストーブと他暖房装置との費用対効果の比較である。しかし、前段階でメーカー等の産業実態の捕捉が必要となり、これに多くの時間を費やしている。他の各項目と比較して、1.5倍程度の研究時間を要すると見込まれる。①③④の進捗率は30%程度、③に関しては手がついていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
産業実態の先行研究が見当たらず、想定していなかった基礎調査が必要となり、一からの情報収集が多く、このデータ作成に多くの時間を要している。 また、取材先の選定と交渉に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
産業実態を明らかにし、海外の進んだ経営や政策を参考にし、日本における木質エネルギー活用促進への具体的提案を行う。 予定より研究範囲が広がり、研究期間内の完成が課題である。
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次年度使用額が生じた理由 |
想定していなかった基礎調査に時間を要した。当初の研究計画に前段階の調査項目を加えたため。この調査は多くが机上調査となっている。このため、取材や書籍等での研究段階に入れず、多くの研究費が消化できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究の前提である、産業実態の研究に注力する。また、研究速度をあげるため、助手を用い謝金等を充てる。それ以外、特に海外での研究調査等については、計画通り平成27年度に遂行し、当初計画通りの予算消化を行い、平成27年度中に研究成果をまとめることを目標としたい。
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