国内森林資源のエネルギー利用の普及ポイントは、①地産池消(エネルギーが少ないため、資源の移動コストは採算に合わない)②小規模な熱利用が向いている(家庭の薪ストーブが現実的)③設置技術が必要(灯油ストーブと同等の予算に抑えるには、工事費の50万円がネック。これが自前で行えるかが重要。高性能な薪ストーブは、今日5万円で購入できる)④国内森林資源利用の復旧には工業教育が重要(フィンランドは木質エネルギー世界一であるが、義務教育で日本の工業高校レベルの技術教育を行っているため、自分で設置できる技量がある。)⑤日本で利用度が高い地域の特性(山間部の集落で、冬期に土木工員で生計をたたてる者。ストーブ設置や薪を作る技術も工具の有している。) これら、①~⑤から、日本における木質エネルギーの採算性の合う普及には、フィンランドの教育を参考にした、山間部で独自の工業教育を行うことが有効であると考えられた。 また、竹林や杉等は、自然環境の悪影響から、利用促進が望まれている。しかし、薪ストーブでは、短時間(薪をくべる回数が増える)で高出力(炉を傷め、半永久的とされる薪ストーブの寿命を短くする)のため、不向きである。この竹林・針葉樹の利用が、手頃に入手でき、林業の活性化・元の山林体系に戻し、望ましい環境体系をつくる重要な柱と考えられる。そのため、竹林・針葉樹を活かせる薪ストーブ技術が望まれる。現在、国内でも数社技術を確立しているが、代金が高額であるため、一般的な普及には時間を要するため、国の助成事業として、育成することが考えられた。
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