研究課題/領域番号 |
26560001
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
永盛 祐介 筑波技術大学, 産業技術学部, 講師 (70553931)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 近赤外線分光法 / 創造性 / デザイン / 感性 |
研究実績の概要 |
本研究の目的はデザインプロセスを脳活動の面から検討し,アイデアの発散や収束,ひらめきといった事象が発生する瞬間を定量的な生理反応として捉え,能動的な感性の働きである創造的活動の理解に貢献することが目的である。デザインプロセスに関する研究は数多くあるが,デザインタスク後のインタビューによる記述,あるいは観察による記述であることがほとんどであり,脳活動などの定量的な生理指標とデザインプロセスを関連付けたものは希である。本研究では統制された条件の中でのデザイン行為を,近赤外線分光法(NIRS)で定量的に観測し,エスノグラフィー的手法と組み合わせることによって目的を達成する。平成27年度においては,慶應技術大学,静岡芸術文化大学の研究者と共に,アイデア想起における,オリジナルハンドドローイングソフトウェアとCADを用いた場合の脳血流の際について検討し,同時に生理的ノイズの除去手法などについての検討を行った。本検討の成果については,International Conference on Kansei Engineering and Emotion Research (University of Leeds, 31 August - 2 September 2016)にて,T. Kato, S. Odagiri, Y. Nagamori, Yuichi Izu. "Comparison of Hand and Computer Drawings Using Near-infrared Spectroscopy"という演題にて発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度までの検討において,計測手法やノイズ除去についてはおおむね達成でき,また実際にその手法を用いた実験を行った。その成果をInternational Conference on Kansei Engineering and Emotion Research (University of Leeds, 31 August - 2 September 2016)にて,T. Kato, S. Odagiri, Y. Nagamori, Yuichi Izu. "Comparison of Hand and Computer Drawings Using Near-infrared Spectroscopy"という演題で発表することからおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの結果に基づき追加実験を行い,データの質の向上,および男女比,年齢,デザイン経験の有無など,被験者属性の最適化を行う。以上で得られた成果を関連学会にて口頭で発表、または論文として発表をし、有識者の反応を得ることによって本研究計画についてのさらなる改善点や平成29年度以降の課題を模索する。また成果報告のための資料を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画と物品の実際の金額に差が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度分と合算し,解析に必要なソフトウェア,および実験協力者雇用費用として執行する計画である。
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