デザインプロセスを脳活動の面から検討し,能動的な感性の働きである創造的活動の理解に貢献することを目的とした。Finkeの創造性テストを用いた実験によって,デザイン活動におけるツールや制約条件の差違が,脳血流におよぼす影響を,近赤外線分光法(NIRS)によって観測出来る可能性が示唆された。また,本研究では,デザイン活動を行う際の脳血流を計測するにあたり,体動や脈動に含まれるノイズ除去の問題などの解決を目指してある程度の手応えを得ることが出来た。ただし,アイデアの発散や収束,ひらめきなど,細分化されたデザインプロセスの検討には至れなかったため,それらは今後の課題とする。
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