公共空間を模した実験環境下において、複数台の短焦点プロジェクタを用いて床面に投影する模様による視覚刺激が誘発する歩行行動の変化について調査、分析を行った。通路に投影した場合、エスカレータの乗り込み口に投影した場合とで、それぞれ模様の投影の有無による歩行速度の変化の計測を行った。結果として同様の視覚刺激を用いていても空間の利用(通路、エスカレータ)の違いにより引き起こされる歩行行動の変化が正反対になることが示唆された。 また、床面への情報投影にかぎらず実世界中における動的空間メディアを拡張するために実空間中に情報を提示する空中映像ディスプレイの試作を行った。従来技術より広視野でインタラクティブな空中映像ディスプレイを実現し、駅空間などで利用されるデジタルサイネージについて実物体と情報コンテンツを直接融合させた表現につながる動的空間メディア構築の可能性を広げることができた。
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