研究課題/領域番号 |
26560017
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研究機関 | 舞鶴工業高等専門学校 |
研究代表者 |
室巻 孝郎 舞鶴工業高等専門学校, 機械工学科, 助教 (80631572)
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研究分担者 |
徳永 泰伸 舞鶴工業高等専門学校, 建設システム工学科, 准教授 (60600848)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 分散型システム / パンチルト機構 / 照度分布 / LED照明 / 量子化器 |
研究実績の概要 |
本研究では,任意の場所に適切な明るさを提供するために,パン・チルト機構を有する複数の照明機器から構成される「分散型ロボティック照明システム」の開発を行っている.本年度は,実験装置の改良および配光モデルの決定と制御アルゴリズムの構築に取り組んだ. (1)実験装置の改良:16個のLED照明を格子状に配置した1/8スケールモデルを製作した.各モータには2つのサーボモータを取り付け,パン・チルト機構を実装している.なお,パン用のサーボモータについては360°回転することができるタイプに変更し,実験装置の床面をもれなく照らすことができるように改良した. (2)配光モデルの決定:制御アルゴリズム構築に必要となる配光モデルのパラメータについて調べた.LED照明の角度を変えながら,中心的な照射位置とその周りの光の広がり方について調べ,近似モデルを構築した.また,複数の照明を使用して光を重ね合わせた場合についても実験を行い,近似モデルの有効性を確認した. (3)制御アルゴリズムの構築:「目標の照度分布とLED照明のON/OFFパターンが与えられたときに実際の照度分布が目標分布に近くなるように照射角度を決定する」アルゴリズムを構築した.実験検証により,目標照度分布に合わせた照射角度が得られたが,全体的に照度が過剰(あるいは不足)になるといった不具合が見られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験装置において,パン・チルト角の動作範囲が想定よりも狭かったため,実験装置の改修が必要となった.このため,26年度の実験装置では25個のLED照明を実装していたが,27年度の実験装置では16個しか実装できておらず,28年度に実験装置の拡張を行う必要がある.また,照射角度の決定手法を実装することはできたが,機構部分に不具合(固定具の変形による照射角度のズレ,片持ち支持方式による全体的な角度の傾き)があったため,28年度に改修を行う必要がある.以上より,達成度については「やや遅れている」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
実験装置の開発については,LED照明の個数を増加させて表現パターンの多様化を目指す.また,実際の建物内での使用を想定した1/1スケールの装置の開発に取り組む.制御アルゴリズムの構築については,26年度の点灯パターン決定アルゴリズムと27年度の照射角度決定アルゴリズムを基に点灯パターンと照射角度を同時に決定するアルゴリズムの構築に取り組む.これとは別に,光環境の評価法についても引き続き調査を行い,快適な光環境を実現するための問題設定についても取り組んでいく.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者および研究分担者それぞれで数百円の次年度使用額が発生した.旅費としての使用には少額であるため物品の購入も検討したが,送料の方が高くなってしまうなどの理由から年度内の使用を断念した.
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次年度使用額の使用計画 |
学会発表の旅費や参加費として使用する.
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