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2014 年度 実施状況報告書

雪害リスクを生活情報として提供するための研究

研究課題

研究課題/領域番号 26560027
研究機関北海道科学大学

研究代表者

細川 和彦  北海道科学大学, 工学部, 准教授 (10347750)

研究分担者 山形 敏明  郡山女子大学, 家政学部, 教授 (00550716)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード生活情報 / 雪害指数 / 雪害 / 自助 / 指数
研究実績の概要

既往の研究における雪害事故の分類は,警察資料の分類に倣い「工作物等からの落氷雪による事故」や「屋根等からの転落による事故」などとしていた。しかし,これらの事故の詳細をみると,例えば,落氷雪事故では,「軒下で除雪作業をしていた際に,落氷雪により負傷」した場合と,「軒先に発生した雪庇を除去中に落下してきた雪塊により負傷」した場合が同義の事故として扱われている。これらの分類では,人身雪害を予防するための分析を行うには不適切である。このことから,事故発生時の被害者の行動から,「除雪作業に従事していた場合」と「除雪作業とは異なる行動をしていた場合」とに分類し,さらに,事故の原因を詳細に4分類した。まず,除雪作業に従事していた場合では,事故の原因となった雪氷に直接手を加えたか否か,あるいは,事故そのものには雪氷が関与していない,つまり,雪下ろしのために屋根に上る途中梯子から転落したなどに分類した。また,除雪作業とは異なる行動をしていたものは,事故の原因が雪氷であるものの,偶発的に発生した事故となる。
次に,被害者の年齢別事故発生件数を分析した結果,雪害事故は60歳代以上が全体の50%を占め,高齢者の被害が非常に多い。また,時間帯別事故発生件数は,二つの特徴的な時間帯が見られる。一つは気温の上昇する11時から14時に多発すること,もう一つは食事時間帯の直後に多発することである。朝食時(7~9時),昼食時(12時)および夕食時(20時)の直後に上昇していることが分かる。このことから雪害事故は人の生活行動に非常に密接に関わっていることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度の研究計画は,雪害事故データから雪害事故の発生要因を分析することを目標としていた.現在までに事故データから雪害事故発生に係わる要因を抽出することができ,かつ,事故の発生時刻など生活パターンに関する知見を得ることができた.これらを基に平成27年度の研究計画である気象要素との因果関係文政期につなげることが可能であると考える.

今後の研究の推進方策

平成27年度は,事故の発生した市区町村に対応した気象観測点における気象データを整理し,事故発生と気象履歴の因果関係を分析する。気象データの分析は,各観測点における月報データから,日最高気温,日最低気温,日降雪量を抽出し,連続する数日間の積算値を算出する。これらの積算値から気象履歴の特性について主成分分析を用いて,雪害発生への影響度合い「雪害ポテンシャル」を解析する。
雪害ポテンシャルとは,各日が持っている「温かさ」,「寒さ」,「降雪」による影響度合いを表し,その大小を雪害の発生を予測するキーとする。次に,雪害ポテンシャルと第一段階で分類した雪害事故パターンとの関係について傾向を分析する。この分析から,雪害事故パターン毎の気象履歴の特徴を割り出し,雪害事故発生予測手法の基礎とする。

次年度使用額が生じた理由

経費削減のため,打合せ等に関する旅費を使用せずメールおよび郵送等で資料のやり取りおよび相談を行った.また,アルバイトを使用しなかったため当初計画より少ない支出で済ませた.

次年度使用額の使用計画

平成27年度の主な研究費の使途は,雪害事故発生市町村および区に該当する地域の気象資料の購入である.その他は,翌年度のアンケート調査に向けて返信用封筒の印刷も検討している.

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公開日: 2016-05-27  

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