研究課題/領域番号 |
26560027
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
細川 和彦 北海道科学大学, 工学部, 准教授 (10347750)
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研究分担者 |
山形 敏明 郡山女子大学, 家政学部, 教授 (00550716)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 生活情報 / 雪害 / 自助 / 指数 |
研究実績の概要 |
雪害事故の発生した市区町村に対応した気象観測点における気象データを整理し,事故発生と気象履歴の因果関係を分析した.気象データの分析は,各観測点における月報データから,日最高気温,日最低気温,日降雪量を抽出し,連続する数日間の積算値を算出した.これらの積算値から気象履歴の特性について主成分分析を用いて解析した. 分析の結果より,冬期間毎日の主成分得点を 『雪害ポテンシャル』としてあらわすことができた.雪害ポテンシャルとは,各日が持っている「温かさ」,「寒さ」,「降雪」による影響度合いを表し,その大小を雪害の発生を予測するためのファクターとしている. 次に,雪害ポテンシャルと平成26年度に分類した雪害事故パターンとの関係について傾向を分析した.この分析から,雪害事故パターン毎の気象履歴の特徴を割り出し,雪害事故発生予測手法の基礎とした.さらに,雪害事故発生予測手法を開発するため,特に注視しなければならない雪害ポテンシャルについて,実際の気象履歴との関係について重回帰分析を用いて解析した. 分析の結果より,気象データを用いた『雪害指数』の算出式を検討した.雪害指数は,雪害ポテンシャル,つまり,主成分分析から求められた主成分得点は,雪害発生を予測する際,気象データから直接算出できるものではないため,雪害ポテンシャル(=主成分得点)を目的変数,気象データを説明変数として重回帰式を用いて表現した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の研究計画は,雪害事故の発生した市区町村に対応した気象データから事故発生と気象履歴の因果関係を分析し,平成26年度に分類した雪害事故パターンとの関係につについて分析することができた.また,雪害発生を予測するために用いる関係式の考案もできたため,平成28年度の研究計画である雪害発生予測を公表する方法について検討することが可能と考える.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は,雪害事故発生予測手法を用い,気象データおよび翌日の予測データを基にした雪害事故危険度の指数化および公開方法を検討する.また,情報の公開に先立ち,気象予報などをはじめとする生活情報に関するニーズを把握するため,住民に対し除雪行動や生活情報の入手・活用に関するアンケート調査を行う.この結果から,どのような媒体に,どのようなタイミングで情報発信することが有効であるかを検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
経費削減のため,打ち合わせ等に関する旅費を使用せずメールおよび郵送等で資料のやり取りおよび相談を行った.また,アルバイトを使用しなかったため当初計画より少ない支出で済ませた.
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度の主な研究費の使途は,アンケート返信用封筒の印刷やWeb回答フォームのサーバーレンタル料を予定している.
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