研究課題/領域番号 |
26560028
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
大澤 清二 大妻女子大学, 人間生活文化研究所, 所長 (50114046)
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研究分担者 |
高橋 寿美子 大妻女子大学, 人間生活文化研究所, 助手 (40579182)
下田 敦子 大妻女子大学, 人間生活文化研究所, 助手 (60322434)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 身体発育 / 身体発達 / 僧院の生活 / グロスモータースキル / ファインモータースキル |
研究実績の概要 |
人の身体発育発達には食事、運動などの因子の役割が大きい。しかし現実にこれらの条件を実験的に統制して発育発達を観察、測定する事が困難な為に、未だにこの研究の核心に至っていない。そこでこの課題を解決するためにタイの僧院で10年間の生活を送る少年僧約400名の発育(身体形質、栄養状態)と発達(運動機能や身体能力)、衣食に関する追跡調査を行う。彼らは家族や異性と分離され、衣食を制限され、スポーツが禁止され衣食住・ライフスタイルの要素をほぼ完全に統制されており、極めて厳密な統制的生活条件下で発育発達している。この研究では、実質1年6ヶ月間の追跡研究によってこれらの生活因子が発育発達とライフスタイルに対する態度・行動に及ぼす影響を探求する。測定項目はA)形態測定、毎月、B)栄養状態、C)生活スキル17項目、微細筋運動スキル28項目、粗大筋運動スキル15項目、D)性成熟、運動能力、体力項目、E)食、衣行動項目である。 平成26年度は月次計画にそって概ね順調に以下の調査活動を行った。5月:現地で調査チームの結成をし、記録簿の準備、家族への説明と承諾。6月:研修会の開催:全協力者400名と測定協力者の教員10名に対する研修会。全僧院の協力体制づくり。7月:A)隔月に身長、体重測定を開始。8月:上記B)、C)、E)の測定・調査。9月:D)の測定。同時に全僧に対して経過を報告し、協力を謝し、問題点を協議。10月:これまでの記録を僧院でデータ入力し始める。12月:データを予備的に検討する。2月:第2回目のB)、C)測定・調査を実施。3月:初年度の経過を現地にて報告し、協議する。経理上の整理。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部の運動能力調査を除いて概ね順調に実施できている。5月に現地で調査チームの結成以来、データ収集と整理の体制つくりを行い、少年僧の家族に対しても家族が僧院に招かれたおりに研究計画を説明し承諾を得た。6月には全協力者と測定協力者の教員10名を対象に研修会を開催して、調査の概要、方法、注意事項を伝えた。また調査用のマニュアルを配布し、全僧院の協力体制をつくった。専用の記入用紙を各自に配付し、僧自身でこれを保管した。7月には身長、体重の測定をはじめた。8月には大部分の調査項目を測定・調査した。これに日本側研究者も現地にて指導、測定に当たった。9月は性成熟の調査を行った。また少年僧に対しては経過を報告した。10月はこれまでの記録を僧院でデータ入力し始めた。12月にはデータを検討し今後の調査体制について協議した。2月も予定項目の測定・調査を行った。3月は初年度の経過を協議した。
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今後の研究の推進方策 |
調査スケジュールは平成26年度とほぼ同じである。当初の月次計画通り。身体発育のうち身長と体重に関しては毎月。その他の形態測定は8月と2月に、機能発達項目生活スキル、粗大筋機能、微細筋機能、生活スキルは8月と2月に、性成熟関係の項目は9月に行う。食と衣生活に関する調査は8月に行う。11月頃には僧院で入力したデータと全体データを整理し、これまでの全体を通じた解析を開始する。12月~1月にはこれまでの解析結果を現地にて検討会議を行う。2月:総括的な報告書を作成し、従来の一般的なタイ人の調査結果と比較検討する。3月は日本発育発達学会にて成果を報告する。3月には経理上の整理をする。
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