研究課題/領域番号 |
26560031
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
菅原 正則 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (60300513)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 住居環境・設備 / 住まい方 / 組み込みシステム |
研究実績の概要 |
住宅における居住者の在室行動を、プライバシー侵害が極力生じないように人体由来の空気中物質計測値や、人感センサのような簡易な機器から得られる多点計測結果に基づいて推定し、暖房運転計画に反映させる方法を提案した。 まず、居住者の在室行動における規則性に基づく、近い将来の在不在予測を用いた予熱暖房が熱負荷低減に及ぼす効果を検討した。24時間暖房に比べて、在室行動の規則性を利用した空調では、総熱負荷において設定条件にもよるが16~26%の削減が見られた。快適時間率は87%~92%と高い値となっており、快適性を損なうことなく熱負荷の総量を低減できたと言える。 次に、住宅における室内のCO2濃度および湿度の変化から在室人数を推定する方法を組み込んだ電子回路を、マイコンボード(Arduino)および環境センサにより試作し、自動化のための動作実験を行った。推定人数が正しく推定されたのは13回の結果のうち4回であり、推定精度は高いとはいえなかった。しかし、無線通信を伴うArduinoを用いた在室人数の自動推定システムが正常に動作することは確認できた。 また、環境調整行動に関する学習法として、透明な樹脂ケースに室内環境を再現し、気流を可視化して現象を観察できるようにした実験教材や、食材を用いた建物模型による「明るく強い建物デザインを考える教育プログラム」の具体的な実施法を提案した。開口部からの寒気や採光の働きについての体験を通じて、室内環境の形成を意識した在室行動につながる一助になると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は研究計画として、(1)在室人数推定方法の推定精度向上、(2)在室人数推定および在室行動予測の自動化を挙げているが、(2)についてはほぼ達成した。研究の経過において、(1)の内容は(2)の成果をもとに進めることが効率的と分かったので、これは2年目に繰り越した。ただし、3年目に計画してある(5)環境調整行動に関する学習法の開発は先行して取り組んだ。
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今後の研究の推進方策 |
2年目は、計画通り(2)在室人数推定および在室行動予測の自動化、および(3)放射暖房の熱放射特性を考慮した効果検証に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用経過で生じた端数である。
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度助成金と合算して使用する。
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