古来より「対外的な交流の場」や「内と外の緩衝空間」としてその効果が謳われてきた縁側の果たす役割を客観的データとして示す目的で,縁側を個人住宅に試行的に設置して心身機能の変化を測定した.測定したパラメータは,自律神経機能を把握するために心拍変動(Heart Rate Variability=HRV)を,主観的な気分評価のためにPOMS2(Profile of Mood States 2)を用いた. その結果,①縁側設置後,交感神経機能の活動量が増加し,縁側設置前よりも生活全般が活発化する可能性が明らかとなった,②POMS2の結果より,縁側のコミュニケーション機能を支持する結果が確認された.
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