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2014 年度 実施状況報告書

非破壊測定による食肉テクスチャーの推定

研究課題

研究課題/領域番号 26560040
研究機関岩手大学

研究代表者

村元 隆行  岩手大学, 農学部, 准教授 (70355246)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード牛挽肉 / 粗脂肪含量 / インピーダンス / LCRメータ / 接触型電極
研究実績の概要

接触型電極を用いて牛挽肉のインピーダンス測定を行い,インピーダンスから粗脂肪含量を推定するための推定式を求め,この推定式がステーキについても適応可能であるのかについて検討を行った.
試験1:日本短角種の半膜様筋の挽肉および細切した脂肪組織を混合し,脂肪含量が10%の間隔で0から100%までのパティを調製した.これらのパティを直方体状に成型し,LCRメータを用いてインピーダンスの測定を行った.また,残りのサンプルについて,粗脂肪含量をジエチルエーテル抽出法により測定し,インピーダンスを測定することにより粗脂肪含量を推定するための推定式を求めた.
試験2:粗脂肪含量が大きく異なると考えられる,ウシの4種類の筋肉から筋線維と平行にステーキサンプルを切り出し,試験1と同様の方法でインピーダンスおよび粗脂肪含量の測定(実測値)を行い,試験1で求めた推定式から得られる値との間で測定誤差の比較を行った.
粗脂肪含量0から100%のパティの測定結果から,インピーダンスを測定することにより粗脂肪含量を推定するための推定式(R=0.97)が得られた.次に,鎌田と村元(2014)の報告による推定式(R=0.85)と同様の範囲である,粗脂肪含量0から50%のパティの測定結果から推定式を求めた結果,相関係数は0.97となり,彼らの推定式に比較して高い相関の推定式が得られた.次に,試験1で求めた推定式をステーキサンプルに適応した結果,実測値との誤差は,鎌田と村元(2014)が求めた推定式に適応した結果に比較して約6割減少した.本研究により,粗脂肪含量0から100%範囲の牛肉の粗脂肪含量を非破壊的に,および従来より高い精度で推定可能な推定式が得られた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

牛肉の脂肪含量を非破壊的に推定するための方法としてインピーダンス法があるが,これまでは,その推定式の精度(相関係数)が0.85であったのに対し,本研究の遂行により,その精度を0.97にまで高めることが可能となった.また,挽肉を用いて得られた推定式をステーキに適応させて検討した結果,これまでのものに比較して,実測値との誤差が約6割減少することが明らかとなった.したがって,牛肉の粗脂肪含量を非破壊的に,および従来より高い精度で推定するための推定式を得ることに成功した.

今後の研究の推進方策

平成26年度に得られた結果を基にして,脂肪を構成する脂肪酸の組成とインピーダンスとの関係について,およびステーキのテクスチャーとインピーダンスとの関係を明らかにする.
ステーキは筋線維と平行に切り出した直方体サンプルとする.粗脂肪組成の測定はガスクロマトグラフ法により行う.テクスチャーの測定は卓上型物性測定器を用いて行い,得られる波形からテクスチャーの各項目の値(最大荷重,破断荷重,破断歪率,破断エネルギー,もろさ荷重,もろさ歪率,もろさエネルギー,付着性など)を自動解析により求める.インピーダンスの測定はLCRメータを用いて行う.
脂肪酸組成とインピーダンスとの関係から近似式を求め,インピーダンスからステーキの脂肪酸組成が推定可能であるかを検討する.また,テクスチャーの各項目の値とインピーダンスとの関係から近似式を求め,インピーダンスからステーキのテクスチャーの各項目の値が推定可能であるかを検討する.

次年度使用額が生じた理由

研究が順調に進行したことにより,サンプルとしての牛肉などの筋肉や試薬の使用量が当初計画に比べて少ない量で済んだため.

次年度使用額の使用計画

より多くのサンプルを用いて検討を行うため,牛肉などの筋肉や試薬の使用に使用する.

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公開日: 2016-05-27  

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