研究課題/領域番号 |
26560041
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
長崎 幸夫 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90198309)
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研究分担者 |
松井 裕史 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70272200)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 酸化ストレス / 活性酸素 / レドックスポリマー / リステリア菌 / ポストハーベスト |
研究実績の概要 |
安全・安心な生鮮食物の生産、運搬等への関心がますます高まりつつある今日、様々な試みがなされつつある。本挑戦的萌芽研究では、様々な悪さをする悪玉活性酸素種を消去するナノマテリアルを設計し、腐敗/腐食を効果的に抑えるのみならず、使用する薬剤自身の副作用をシャットアウトし、安全な食物の作製・供給を目指す。このナノマテリアルの設計に成功すれば、食物の放射線障害や家畜の感染症障害等にも有用であり、広く安全・健康社会の創出に資する。申請者らはこれまで、細胞内の善玉活性酸素種を消去することなく、病気の原因となる悪玉活性酸素種を選択的に消去するナノメディシンの設計を進め、副作用の無い新しい治療薬の創出に関して研究し、その一部は開発段階に入りつつある。我々が開発してきたナノマテリアルはその分布や取り込み能を高度に制御することが出来るため、食物の表層のみに局在化させ、食物自身に悪影響を与えることなく、細菌感染の原因になる悪玉活性酸素種を消去することが期待出来る。初年度はリステリア菌を培養するモデル系を策せするとともに抗酸化ポリマーを設計・合成を行った。また、その抗酸化能を確認するだけで無く、毒性に関してモデル系を用いて評価した。例えばゼブラフィッシュ水槽に低分子抗酸化剤を加えると100%死んでしまう条件で,我々のレドックスポリマーは100%生存しており、生体の正常なレドックス反応を損なわないレドックスポリマーの有用性を明らかとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度は材料合成、粒子作成を目標としたが、リステリア菌の培養、ゼブラフィッシュ等の実験を含め、計画以上の進展があった。このペースで研究を進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
食品・動物への感染モデルを構築し、レドックスポリマーの評価を進めていく。
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