本研究では、食品を密封系へ閉じ込め、食品酸化に起因する容器内ヘッドスペース酸素濃度(HSO)の減少を指標にして食品の安定性を確認する方法を確立した。本法は通常法と違い有機溶媒を使用することなく食品の酸化安定性を確認できる。結果、蓋に酸素電極を埋め込んだ容器中にシソ油を入れて酸化させた際のHSO減少パターンと、油脂の過酸化物価(PV)変化パターンが一致した。さらに、シソ油を用いて作成したクッキーの酸化安定性を開発法と通常法で比較した。結果、クッキー試験においてもHSO変化とPV変化は同じパターンを示した。このことから、本試験で開発した方法は通常法と同じように使用できることが明らかとなった。
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