水分量の変化に伴う干し芋の水分状態とガラス状態の変化を分子レベルで明らかにし、干し芋が保存性を損なわずに柔らかな食感を保持するための水分条件を決定することを目的とした。研究を通じて、おいしい干し芋が一年中どこでも食べられるような、嗜好性と保存性を両立した干し芋の作成方法を提案することを目指した。研究の結果、干し芋の水分状態が水分量によって変化し、それがガラス転移の挙動とも関係していることが分かった。これらは今後、品種による水分状態の違いは検出するための手掛かりとなる。また消費者は干し芋に対して、季節感などを感じているため、干し芋を販売する季節は食文化の観点からも考察が必要であることが分かった。
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